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龍の歌 あとがき

  • 執筆者の写真: Rika Yamamoto
    Rika Yamamoto
  • 2018年7月7日
  • 読了時間: 2分

 「龍」あるいは「ドラゴン」はわたしの想像する世界の中で重要な位置を占めている。しかしそれはこれまで、ある種の「紋章」であった。それが指し示すものは純粋な理想であり、運命に屈せぬ剛毅さであり、そして想像力がもたらす共感と優しさ、また人間が到達すべき高次の段階を顕すものであり――究極にはエゴイズムから解放された、真に自由な「心」の象徴であった。物理的な実体を持ってはいなかった。

 だがシリーズが進行するに従って――その「紋章」は次第に現実の(といっても無論わたしの想像する平行世界での現実だが)存在と変わっていった。もう少し正確に言えば「龍の紋章」がなぜ生まれたのかという問いへの答えが必要になったということだ。かといって無理矢理にこじつけたつもりも特にない。なぜならわたしたち人間は遙かな昔から幾多の幻獣を思い描いて来たし、その最古のものは疑いなく「龍」あるいは「ドラゴン」であるからだ。そしてそれが純然たる自然科学によって発見され、実在を証明された「恐竜」たち、人類とは隔絶された遙かな過去に存在していた生物とあまりにも似ていることは言うまでもない。今回の物語はその類似性から発想されたといっていい。

 こうして問いは答えられた。わたしの物語の中に、彼らは実在した。そして時の三姉妹がアーク・エルダーに告げたように――龍と人は繋がっている。気の遠くなるような偶然によってではあるが、未来へ送られた最長老の卵から孵った最後の龍は人類によって「大いなる者」と呼ばれ、白亜紀と幕末をつなぐ役割を果たすことになる。荒唐無稽であろうと、虚構につぐ虚構であろうと、わたしにとってそれはある種の必然となった。

 今回は想像の叶う限りの過去まで遡った。となれば次は遙かな未来もありえる…しかしおそらくは幕末に戻るのが順当という気もする。

2018年7月7日

-Cleio-結成五周年当日かつ「龍の歌」初演楽日前日

東中野バニラスタジオにて

-Cleio-主宰 佐々木 総


 
 
 

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