近況(+Asterisk第3話 用語並びに付記)
こんにちは。ブログでのお知らせが遅れてしまいましたが、-Cleio-の継続企画であるAsteriskの第3話が10月はじめに公開されました。今回は私加賀結智花が語りを務めています。ご視聴頂いている皆様大変ありがとうございます。
第1話~第3話までこちらのホームページ「ASTERISK」項目から視聴いただけますので、まだの方も是非、ご覧になっていただけたら幸いです。
また第3話の用語解説もこちらの記事に掲載させて頂きます。
今回も、引き続き主に各自宅での録音・制作となりました。
そもそもお芝居とは “自分以外の誰かを思いやる”ことで成り立つものだと思うのですが、所謂新しい生活様式の一つ「リモート」での稽古や制作過程において、この一番大切な部分を改めて自覚させられています。
顔と顔を合わせること。相手の声に耳を傾けること。そして想像し、発信すること。
差し出す側も、受け取る側も、必然的に能動性が求められます。
本来、オンラインでなくても 人と接する上で大切にしなければいけないことのはず…
今まで自分はどうだったろうか。疎かにしていることはなかっただろうか。
そしてこれはお芝居に限ったことではないだろう…同じようなことを感じている人は今この世の中にたくさんいるかもしれない、と想像しています。
より丁寧なやり取りが求められるオンラインの時間が増えたことで、相手を尊重する ということの本当の意味を学んでいる気がしています。
この経験が自分達の表現を、人々のコミュニケーションを、より豊かなものに変えてくれると信じたいです。
今私たちは 稽古場での短縮分散稽古とオンラインでの集まりを併用し活動しているのですが、やはり 空間を共有することの素晴らしさや効果も身に染みて感じます。
「複数人が同じ空間で一つの経験を共有する」というのは特別な体験なんだなと改めて “舞台”というものの魅力を感じています。それなら例えば映画でもいいじゃないかと言われてしまいそうですが、演者と観客の互いがある種の緊張感を同じくらいに持って一つの世界に没入出来るのは 生のお芝居ならではの魅力ではないかと私は思っています。
とはいえ、劇場で皆様と直接お逢い出来る日はもう少し先になるかもしれません。ですが今も『AGE of FLAME』は続いています。その古代篇である『Asterisk Season. I 』今はここで皆様とお逢い出来ることを心より楽しみにしています。形は違えど “実感ある”物語をお届けできれば幸いです。
物事をどう受け止め、どう活かすのかは全て自分次第であるということも忘れずに。日々誰かを思いやれる行動をしていきたいと思っています。今感じていること、学んでいることを最大限に活かして人間としても役者としても 表現する者として 成長して参ります。
-Cleio- 加賀結智花
<第三話 用語ならびに付記>
■ティアマト
古代メソポタミアで信仰された最古の地母神。創世の初めから存在した巨大な龍として描かれ、世界最古のドラゴンと言える。常にそうであるように神話の中で殺され、その亡骸から天地が造られる。有史前の母系社会をも象徴している。-Cleio-の作品世界観では“AGEof FLAME白亜紀篇”で登場したアーク・エルダーに対応する。
■アッカド
民族系統不明のシュメール人を滅ぼし、メソポタミアを支配したセム語族。彼らの争いが世界最初の大規模な民族紛争、戦争と言える。支配者は男系を通じて王権を強大化し、自らを神とした。
■ジグラート
メソポタミアで建造された神殿、聖塔。日干し煉瓦で築かれた階層を成して高く築かれた。
旧約聖書に記述されるバベルの塔の原型とされる。
■補遺
シェムシュが脱出したウルクは女系の王位が受け継がれた最後の王国である。信仰されていたのはティアマト、後の神話では原初の混沌、倒されるべき悪として語られる女神である。
私見では人類はここから大きく道を外れている。そもそもの原初から暴力と殺戮によって権力が正当化され、そうした神話が現在もなお、いわゆる「現実」好きな人間たちによって(無意識に)信仰されている。わたしはその無自覚な醜さに我慢ならない。
作・演出 佐々木総
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